東日本大震災における震災関連死の死者数 1,632人(2012年3月31日現在)(復興庁8月21日発表)※分析結果、都道府県別、市町村別、年齢別、時期別を掲載

 

「東日本大震災における震災関連死に関する報告」(平成24年8月21日復興庁)より抜粋。

◆報告書P1~2、22:分析結果、参考資料4

■震災関連死:2012年3月31日現在で1,632人

・都道府県別では、1都9県。福島県で761人、宮城県で636人、岩手県で193人など。
・死亡時年齢別では、66歳以上が約9割
・死亡時期別では、発災から1か月以内で約5割

■調査対象:「助かった、助けられた命」の中で、お亡くなりになっている方がいることを真剣に受け止め、将来の災害に向けた対応策等を検討する必要があると考えた。このため、震災関連死の死者数が多い市町村と原発事故により避難指示が出された市町村の1,263人を対象に、原因の調査を行った。

・男女別では、概ね半々
・既往症の有無については、約6割が有、約1割が無、約3割が不明。
・死亡時年齢別では、80歳台が約4割。70歳以上で約9割。
・死亡時期別では、発災から1か月以内で約5割、3か月以内で約8割。
自殺者は、13人(岩手県及び宮城県4人、福島県9人)。

・原因区分別(複数選択)
全体では、「避難所等における生活の肉体・精神的疲労」が約3割、「避難所等への移動中の肉体・精神的疲労」が約2割、「病院の機能停止による初期治療の遅れ等」が約2割

岩手県及び宮城県では、「避難所等における生活の肉体・精神的疲労」が約3割、「病院の機能停止による初期治療の遅れ等」が約2割、「地震・津波のストレスによる肉体・精神的負担」が約2割。

福島県では、「避難所等における生活の肉体・精神的疲労」が約3割、「避難所等への移動中の肉体・精神的疲労」が約3割、「病院の機能停止による初期治療の遅れ等」が約2割。福島県は他県に比べ、震災関連死の死者数が多く、また、その内訳は、「避難所等への移動中の肉体・精神的疲労」が380人と、岩手県、宮城県に比べ多い。これは、原子力発電所事故に伴う避難等による影響が大きいと考えられる。

◆報告書P2:原因や対応策についての関係者の意見(地方公共団体)

災害弔慰金の支給事務を担当した市町村等の職員からヒアリングを実施。その主な意見は以下のとおり。
【原因】
・ 宮城県や岩手県と違い、福島県浜通りは、原災避難の影響が大きい。地域の病院等の機能が喪失したために多くの患者を移動させることになった。動かしてはいけない状態の人を長時間かけて移動させ、更に別の地域へ移動を重ねるなどの事態となったことが大きいと感じた。
・震災関連死は75歳以上の高齢者が多く災害弱者。高齢者が十分なケアを受けられなかったとの印象。

◆報告書P3~4:原因や対応策についての関係者の意見(有識者)

【対応策】1)基本的な考え方
(1)防災教育や語り継ぎを行い、今後の対策に結びつけることが大切。
(2)災害発生時に、被災自治体が多くの仕事をするのは難しいため、(ⅰ)災害対応の「目利き」(専門家)となる国の組織・職員を設置し、平時から予め災害発生時の対応を調整しておくこと、(ⅱ)被災地を行政特区とし、国・地方の職員を大量に動員し、様々な権限を持たせて、現地のリーダーと協力しながら、迅速に判断・対応できるような体制づくりが肝要。
(3)災害対応を専門とする機関は、消防・警察・自衛隊・自治体等が組織に入ってネットワークを作るなど、平時から緊密な連携体制を構築しておくことが不可欠。
(4)被災者の生活再建に関する様々な情報を、統一的に把握・調整・伝達する組織があると良い

【対応策】5)被災者の心のケアを含めた健康の確保
以下の(1)~(4)を踏まえ、国・地方・ボランティア等で体制を組むことが望ましい。
(1) ニーズが少ない初期段階から、心のケアに関する情報(相談体制等)は早めに被災者及び支援者に周知しておくこと。
(2) アウトリーチ(全戸訪問)活動を繰り返し行うこと(精神的に不健康か否かは自身での判別が不可能なため)。※地道に取り組むことが大切。
(3) 震災の振り返りをきちんと吐き出すこと。※被災者は、アウトリーチ活動の際に、悩んだことや困ったことを出し切ることが大切。
(4) 環境の変わり目で自殺のリスクが高まる傾向にある。例えば、新潟県中越地震と新潟県中越沖地震の際には、仮設住宅から復興住宅に移行する際に、自立再建の出来なかった現実と先の見えない将来に悲観して自殺する人もいたので、注意が必要。

【その他】
マスコミは、まるで「心のケア対策」なる明確なものが存在し、それを行えば様々な被災者の心の問題が解決すると報道する傾向にある。しかし本来は、地域経済・職業・健康状態の改善等、いわゆる生活再建を通して、はじめて被災者の心の健康が回復していくものである。生活不安が解消しない状態では、心のケアは万能ではないことを知るべき。


◆参考資料(都道府県別、市町村別、年齢別、時期別)

「震災関連死の死者」とは、「東日本大震災による負傷の悪化等により亡くなられた方で、災害弔慰金の支給等に関する法律に基づき、当該災害弔慰金の支給対象となった方」と定義。(実際には支給されていない方も含む。)

本調査は、各都道府県を通じて市区町村に照会し、回答を得たもの。
2012年3月31日までに把握できた数。
数値の精査の結果、5月11日に公表した「東日本大震災における震災関連死の死者数」から、一部の県で数値の変動がある。(復興庁注より)(※管理人注:具体的には富岡町・葛尾村に関する下線部分の6箇所です。)

出典:http://www.reconstruction.go.jp/topics/240821_higashinihondaishinsainiokerushinsaikanrenshinikansuruhoukoku.pdf

1【都道府県別】(2012年3月31日現在)
都道府県震災関連死の死者数(人)
岩手県193
宮城県636
山形県1
福島県761
茨城県32
埼玉県1
千葉県3
東京都1
神奈川県1
長野県3
合計1,632

2-1【岩手県(市町村別)】
市町村震災関連死の死者数(人)
盛岡市6
宮古市14
大船渡市42
遠野市3
一関市3
陸前高田市16
釜石市42
矢巾町1
大槌町34
山田町30
岩泉町1
田野畑村1
合計193

2-2【宮城県(市町村別)】
市町村震災関連死の死者数(人)
仙台市143
石巻市178
塩竃市14
気仙沼市90
白石市1
名取市30
多賀城市25
岩沼市4
登米市9
栗原市1
東松島市56
大崎市4
大河原町2
村田町1
柴田町3
亘理町13
山元町15
松島町5
七ヶ浜町2
大和町1
美里町1
女川町18
南三陸町20
合計636

2-3【山形県(市町村別)】
市町村震災関連死の死者数(人)
尾花沢市1
合計1

2-4【福島県(市町村別)】
市町村震災関連死の死者数(人)
会津若松市2
郡山市2
いわき市83
須賀川市1
相馬市11
田村市1
南相馬市282
伊達市1
大玉村1
鏡石町2
石川町1
三春町1
広野町21
楢葉町33
富岡町75
川内村27
大熊町38
双葉町38
浪江町91
葛尾村10
新地町5
飯舘村35
合計761

2-5【茨城県(市町村別)】
市町村震災関連死の死者数(人)
水戸市5
日立市9
結城市1
常盤太田市2
北茨城市5
笠間市1
つくば市2
ひたちなか市1
潮来市1
那珂市3
桜川市1
鉾田市1
合計32

2-6【埼玉県(市町村別)】
市町村震災関連死の死者数(人)
さいたま市1
合計1

2-7【千葉県(市町村別)】
市町村震災関連死の死者数(人)
千葉市1
東庄町1
白子町1
合計3

2-8【東京都(市町村別)】
市町村震災関連死の死者数(人)
江戸川区1
合計1

2-9【神奈川県(市町村別)】
市町村震災関連死の死者数(人)
横浜市1
合計1

2-10【長野県(市町村別)】
市町村震災関連死の死者数(人)
栄村3
合計3
3【都道府県別・年齢別】(2012年3月31日現在)
都道府県計(人)20歳以下(人)21歳以上65歳以下(人)66歳以上(人)
岩手県193024169
宮城県636177558
山形県1010
福島県761061700
茨城県322327
埼玉県1010
千葉県3012
東京都1100
神奈川県1001
長野県3003
全国計1,63241681,460

4【都道府県別・時期別】(2012年3月31日現在)
都道府県計(人)~2011.3.183.19~4.114.12~6.116.12~9.119.12~2012.3.102012.3.11~
岩手県1935359541890
宮城県63618924814541130
山形県1010000
福島県76191194254172500
茨城県321684310
埼玉県1100000
千葉県3200100
東京都1100000
神奈川県1100000
長野県3111000
全国計1,632355511458235730

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